婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!

額が地に付くまでガバッと伏せた。

と、いうよりも、勢いあまって、額がバシン!と砂に埋まる。

グリグリしてないけど…これでいいのだろうか。



「大変…誠に、申し訳ありませんでした!」



渾身の力を絞って叫ぶ。

謝罪した…やり遂げた。

全身全霊、渾身の誠意を見せた謝罪。

これで、許しを乞うことが出来ただろうか。



本当に申し訳ありません、竜王様。

まだ未熟で、愚かな私と縁談なんて持ちかけられたばかりに、お手数おかけしまして。

本当に、申し訳ありません…。




しばらくしばらく頭を下げ続けていたが。

…これ、いつまで下げていればいいんだろう。

『面を上げよ!』みたいなこと、言ってくれるんだろうか?



(………)



相手の反応が無いし、どうしていいかわからないので、恐る恐ると顔を上げる。



(…あれ)



目の前には、さっきまでいたはずの竜王様はもういなかった。

あれ。どこ行ったの?



…しかし、少し離れた場所で、大喧嘩第二部が始まろうとしていたのである。



「…おい、おまえ。いったい羅沙に何を吹き込んだ?」

「はー。土下座のこと?ガーディアンのこと?それとも奥様計三人のこと?」



…あぁっ!
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