婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!
それに、ガーディアンは良い事ばかりではない。はっきり言って大変だ。
心も身も千切られる程の苦痛を味わうことだって…あるんだ。
《竜樹、ごめんな?…ありがとう》
それは…痛くて、苦しい。
「おいおいおい。ひょっとして、貴俊とのことを思い出してんじゃねだろな?」
「…うるさい」
「で、羅沙の本当の母さんって、誰なのよ」
「……は?!」
こいつ、本当に唐突すぎる…。
だが、その質問は実はこの状況で、筋の通ったタイムリーな問いであるだけに驚愕させられる。
返答出来ずに一瞬固まってしまった。
「『闇』の神力って、少なくともご先祖ルーツが関係してるって聞いたことあるぜ?摩睺羅伽族は元々、遠い遠いご先祖さまが『闇』の神術士だったっていう話だ。まさか羅沙も…」
「………」
…こいつ、不真面目勉強嫌いのくせに、そういうことだけは覚えてるなんて。
「羅沙は違う。純血の夜叉族だ」
「…ほう。母さんは夜叉族の者か?…で、誰」