婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!

けど、ムキになればなるほど、竜王様はクツクツと笑っているようだった。

「こういうのは、はっきり言わないと羅沙には通用しないよね?」と、言いながら。

その言い方は何ですか!まるで私がおばかみたいな!…と、声になりそうだった時。

竜王様が、私と目を合わせてきた。

それは…いつもの穏やかで、優しさ溢れる視線で、私の心臓をドクドク煩くさせる。

ああぁぁっ!そんなに見つめないで!眼福過ぎて心臓破裂します!



「…俺には、羅沙しか要らない」



心臓、ボカンと破裂した!…ではなく。



静かに笑い続けながら、私の頭を撫でている。



「俺の隣には、羅沙だけ居てくれればいいんだ。他の女は要らない」

「わ…」

「『わ』って、何?続きは?」



クスクス笑い続ける竜王様だけど、私は…固まってしまった。

だって、急にそんな予想しなかった事を言い出すから。

『わ』?…衝撃過ぎて、続き忘れましたよ。

でも、この人は容赦しない。



「羅沙だけが、俺のお嫁さん。夜叉王に押し付けられたでも何でもない。…俺が昔から頼んでいたんだ。羅沙と結婚させて欲しいって」

「えっ!」
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