婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!

でも、それは本当に感じていたことだ。

私が吉祥天様の年頃になった時、私はこんな風に綺麗な大人の女性になっているんだろうか。

なんて、想像も出来ない。



すると、吉祥天様は「うふふ」と笑う。



「羅沙だって十分可愛いわよ?夜叉王そっくりで美人さんでしょ?この間の初夜会のドレス姿、綺麗だったわよー?」

「いや、いやいや…」

「まだまだこれからよ?若いんだもの」

「はぁ…」

当たり障りのない社交辞令で括られたような気がするけど。



「女って、磨けば磨くほど光るのよ?その努力は怠ったらダメだけどね?」

「努力、ですか…」



磨くための努力?それは…何をしたらいいんだろう。

朱嘉様みたいに着飾ったりしたら良いのか。

だとしたら、イメージが悪くて躊躇してしまう。

むうぅぅ…と、更に考え込んでしまった横で、吉祥天様の「あーあ」という声が聞こえた。



「そんなにずーんと悩んでるから、恋のお悩みかな?って思ったんだけど?」

「え!」

「羅沙の恋話、聞きたかったなー?」

「いや。いやいやいや。そんなの無いですよ!ま、まだ子供ですしっ」
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