恋するオオカミ〜不器用だけと一途なんだよ!
自分が見てもらえてなかったことに落胆して、ズンッって下向いてたら、将輝が肩をトントンした。

「おいっ。なんか、ナミが呼んでる。おまえ連れてこい。至急って。」

「え?」

杏とナミがいた場所を見ると、確かにナミがしきりに手招きしている。

「おまえだけじゃねーの?」

「ちがうよ。なんか緊急事態っぽい。」

流石というかなんというか…
長年きょうだいやってるだけあって阿吽の呼吸だな…。
あれで、俺を呼んでるってわかるんだから…

「とりあえず行くぞ。」

将輝に連れられて急ぎでナミの元へ向かった。

「どうした?」

将輝が聞くと、将輝のことはそこそこに、俺の方を見てナミはまくし立てた。

「杏ちゃんね…なんか手強そうな女子3人やってきて連れてっちゃった。」

「は?」

手強そうな女子?

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