恋するオオカミ〜不器用だけと一途なんだよ!
俺を見ながらそう言ったけど…
てか…そうも何も、杏とはほんとに幼馴染なだけだ。
杏的には…

「そうって何がだよ?」

俺も睨み返す。

「白波瀬と、結局付き合うんだ?わたし振って。」

ふん。笑わせんな。
お前なんか振ったんじゃなくて最初から大っ嫌いなんだよ。

「付き合う?笑わせんな。俺たちは幼馴染だ。だから一緒にいる。お前は振ったんじゃなくて最初から好きじゃなかったし、それだけだ。悪いけど。」

迫田の顔がみるみるうちに真っ赤になって行く。

「な、何よ!そんなの…わたしのほうこそ…好きじゃないし!」

そういうと、真っ赤な顔のまま、走り去って行った。

走んのはえ~。
綺麗な走り方だし…
あれで性格良かったら男すぐできるだろうけどな…
無理だわ。ありゃ…


走り去って行ったので、杏を見た。

「杏?」

なんか様子がおかしい。
下向いたままだし…

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