恋するオオカミ〜不器用だけと一途なんだよ!
「やるじゃん。杏。」

まゆりがにんまりと笑った。

「認めたら杏は強くなるよ。がんばりなよ。仲上にとられんじゃないわよ。」

「うん。がんばる。碧斗は…」

そういったときだった。
わたしの前に碧斗が現れたのだ。

そして、しかも横には…仲上美紗都…。

「あ。杏。」

碧斗の顔が若干、緩んだ気がした。

私の顔はきっとこわばってたに違いない。

「碧斗…」

ちらっと横を見ると仲上さんは相変わらず…わたしを見ようともしない。眼中にないのだ。

「俺ら今帰りでさ。ついでに寄ってくことになったの。杏は?帰んの?」

「うん。そう。もう堪能したから。」

「そ。まぁ気、つけてな。」

そのまま碧斗と別れる。


泣きそうだ…。

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