恋するオオカミ〜不器用だけと一途なんだよ!
横からまゆりが肩をポンポンしてくれた。
「どうしよう。がんばれないかも…。」
下を向いてわたしはうなだれてしまった。
「まぁまぁ。高崎はまちがいなく杏のこと好きだから。それはわたしが保証する。」
「そんなことないじゃん。今のみたらわかるでしょ?」
思わず顔をあげて文句をたれる。
「うーん。いい雰囲気っていうのは感じるけど…それだけじゃん?どっちかってと、仲上が高崎にべったりしてるだけじゃん?」
「碧斗もじゃん。」
「まぁ見てなって。けど、杏も、前にすすまなきゃね。自分でちゃんと言わなきゃだよ。好きって。そうしないとあんたらの関係…いつまでも変わんないから。」
「うん。そうだよね。わたし…告る。碧斗に。」
そうだ。わたしは気づいたからには告らなきゃどうしようもないと思う。
そうじゃないときっと碧斗はいつか仲上さんのとこに行ってしまう。
「うん。杏。その意気だよ。」
そしてわたしたちは帰途についた。