恋するオオカミ〜不器用だけと一途なんだよ!
「将輝はまぁいつかそうすんだろって思ってたけど…それよりそのあとどうなったんだよ?」

「え?だから、ナミは小笠原くんと仲直り…」

「じゃなくて、お前だよ。」

「わたしは、まゆりと帰ってきただけだよ。ナミもいないし、花火も半分ほど終わってたし、もういいかなって。」

「ふうん。あっそ。ならいいや。」

何?碧斗。

マンションに着いた。

もう家に入らなきゃならない。

「碧斗は?今日、な、かがみさんの知り合いのお医者さんに会うって言ってたんじゃなかったっけ?どうだったの?」

「あ、うん。それはそれは有意義な一日だったよ。」

碧斗の眼が輝く。
碧斗はほんとにお医者さんになりたいのだ。
ほんとにほんとにお父さんのことが大好きだったのだから。

そのお父さんがアメリカで学会があるときに列車事故で亡くなり、このマンションに引っ越してきて、わたしたちは出会った。

そのときからずっと…お父さんみたいになるんだって…言ってたんだから…

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