恋するオオカミ〜不器用だけと一途なんだよ!


「杏!」

次の日の朝。
教室がとなりだったこともあり、京太郎がひょっこりクラスに顔を出した。

クラスに誰がいようと関係なくふつうに入ってきて、わたしの机の前に立つ京太郎。

「今度うちに来なよ。お母さんだけじゃなくてさ、お父さんにも…」

結構大きな声で話はじめるので、わたしはあわてて席を立つと、京太郎を連れて、外に出た。
まゆりもびっくりの顔をしてる。

廊下の隅っこまで来て、小声で告げる。

「京太郎。ここは日本だよ。なんでもオープンに話すといろいろ細かいこと言われるから。日本は。わたしに用事があったら、教室の外から呼んでくれたら、そっち行くから。今度からはそうしてね。」

「そうなの?わかったよ。じゃぁそうする。けどさ。今度うちに…」

そうだった。
昨日結局あのあと、京太郎の用事が終わってから、一緒に帰った。

もう、部活してる人以外は帰ってしまっていたし、こんなイケメンハーフでも堂々と2人で歩いててもそんなに見とがめられることもなかった。

それでわかったこと…

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