恋するオオカミ〜不器用だけと一途なんだよ!
~高崎碧斗side~

一生の不覚だ。
杏以外の女に唇を奪わせるなんて…

「碧斗…好き。」

突然の告白とともに間髪入れずにブチュっときたもんだから防ぎようがなかった。

あわてて手の甲でゴシゴシ拭いたら…
泣き出した美紗都をなだめるのにまた手間取ってしまう。

「悪いけど…俺は美紗都を女って思って見たことはねー。」

「そんな…でもわたしたち気持ち分かり合えてるはずでしょう?」

「けどな。おれが女って思えるのは昔からひとりしかいねーんだ。美紗都とは分かり合えてるかも知んないけど…それは男友達と同じ感覚だよ。」

「ひどい…あんなバカな女の何がいいの?」

「は?」

バカってなんだよ…
バカって…

美紗都に殴りかかりそうななるのを必死で抑えた。

深呼吸して冷静さを取り戻し、俺は言った。

「俺に男求めるんだったら…他当たれよ。もう明日から一緒に勉強すんのとか…やめよう。」

「いやよ!絶対!諦めないからっ!」

そう言った美紗都はそのまま振り返ると、駅の改札の中へ走って行った。

クソッ…
拒否かよ!

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