恋するオオカミ〜不器用だけと一途なんだよ!
「そっか。」

碧斗はいろいろ考えてんだ。けど…わたしも…

「碧斗。わたしもいろいろ考えてて…京太郎にはちゃんと断って、碧斗と付き合うってこと言わないとって思ってる。それで、瀬田さんとこにも行くのやめる。」

「え?けど…パティシエの夢は?」

「それはわたしも碧斗と同じで…よく考えてみたら、高1なんだから、とりあえず、栄養士の資格とるとこからはじめてみようかなって。それで職業はまたそのあと。どうしてもわたしは料理からは離れられないけど…料理なんて山ほど職業あるんだもん。」

「そっか。うん。そだな。」

碧斗はちょっと鼻のあたまをスリッとこすった。

「何よりも重要なのは…おまえとずっと一緒にいること。」

「え?」

「それがあれば、職業なんてなんだっていい。」

「碧斗…」

「それくらい重要だってこと。俺にとって杏は。」

「うん。うれしい。」

あまりにもうれしくて…もう暗くなったから一家と思って、碧斗のほっぺにチュッとキスをした。

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