最愛なる妻へ~皇帝陛下は新妻への愛欲を抑えきれない~
(もう帝都は雪が降っているだろうな)
凍えそうな風音を窓越しに聞きながら、イヴァンはコシカの街に想いを馳せる。
この港町は、帝都よりはるか南にあるため冬の訪れが遅い。
三週間前に帝都を発ったときはまだ雪は降っていなかったが、今頃はもう初雪を迎え街は白く染まっていることだろう。
(……ナタリアは大丈夫だろうか)
そしてやはり胸によぎるのは、ただひとりの想い人だ。
王宮から届く手紙にはナタリアの症状は相変わらずだが無事に対処できているとの報告が記されているが、それだけでは安心できない。
雪が深くなれば彼女の病状が悪化する恐れもあるし、何より寂しがっていないか心配だった。