最愛なる妻へ~皇帝陛下は新妻への愛欲を抑えきれない~
「ナタリア……綺麗だ」
イヴァンの指が愛おしそうに何度も金色の髪を梳き、唇が白皙の頬に何度も押しつけられる。
「ナタリア……愛している。心から愛している。お前は俺の妻だ」
〝愛している〟と紡がれるたびに、溺れそうなほどの幸福に魂が震えた。
彼の妻になれた喜びを、全身全霊で受けとめる。
「……イヴァン様」
ナタリアは瞼を閉じ、心の奥で神に感謝を捧げた。この世に生を受け、ナタリアとして生まれ育ち、イヴァンに巡り合えた奇跡を。
イヴァンの情熱的なキスを受けながら、ナタリアは己の内側が熱く昂っていくのを感じた。〝もっと彼を感じたい〟。そんな思いが自然と湧き上がってくる。
ああ、きっとこれが身を委ね愛を育むということなのだと、ナタリアは染み入るように理解した。