同期が今日から旦那様!?〜そこに愛は必要ですか?〜
結局、熱が完全に下がったのは木曜日になってからだった。
会社には一週間の有給休暇申請を藤堂君が出してくれていた。
一旦、自分のマンションに戻って部屋の片づけを始めることにした私は、藤堂君が出社してから、自分のマンションに帰った。
この数日で分かった事がある。
藤堂君は思ったよりも心配性のようだ。
私の熱がなかなか下がらない事が心配だと毎日、午後から帰って来ていた。
そんな自由な事が許されるのかと心配になったけれど、システム開発部に限っては大丈夫らしい。
いや、本当かどうかとかは分からないけれど。
そうやって帰ってきては、私の頬をそっと撫でるのを日課のように繰り返す。
眠っている間もきっと、そうやっているんだと思う。
時々、そんな感触が頬に残っている時がある気がする。
その私に触れる手が優しいから、どこか安心してしまう。
藤堂君てこんな感じの人だったっけ?
あまり一緒に仕事をした時がないから、今もあまり彼の事を知ってるとは言えない。
同期で集まったりしてた最初の頃も、彼は残業とかで欠席したり遅れて来たりで話もしないことが多かった。
それなのに、今は、契約結婚とはいえ私の旦那様。
長い前髪の下の国宝級のイケメンを見たときは、やっぱりって思ったけど想像以上のイケメンでちょっと直視出来なかったし。
まあ、今もまともに視線とか合わせられないけど。
カッコよすぎると無駄に何か出てるような気がするのよね、色気とかオーラとか色々。
前髪上げて出社したら、今の10倍は人気出るな、あれは。
そういうのが面倒臭いって言ってたけど。
恋愛が面倒くさいって思うほど、モテたことないからその気持ちは残念ながら分からない。
でも、恋愛を求めていないっていう気持ちは分かる。
面倒くさいというか私の場合は恐怖に似てる。
結局壊れてしまうなら最初からなければいいと、今の私は思っているから。
黙々と段ボールに部屋のものを片付けていて、自分が思っていたよりも時間が経過していることに気が付かなかった。
ピンポーン!
ん?誰か来た?
そっとドアを開けると、頭上から聞き覚えのある声がした。
「何やってるんですか?」
「あ、藤堂君・・・」
帰ってくる前に帰ろうと思っていたのに。
多分、いや、明らかに怒っているような気がする・・・。
「今朝、やっと熱が下がったばかりなんですよ?」
「はい・・・ごめんなさい・・・でも、荷物が気になって」
「荷物は週末に業者に頼むことにしたはずです。橘さんも承諾しましたよね?」
「うっ・・・はい」
「なんで自分でしてるんですか?又、熱を出す気ですか?」
「だって、自分のものだからやっぱり自分がするべきかなって思って。それに、もう、体調も大丈夫だし」
「僕は怒っているわけではないんですよ。出かけるなら一言連絡して欲しかった。荷物の事も相談して欲しかった。ただそれだけです。」
「・・・ごめん、そうだね」
言われて気が付く。
確かに何も連絡しないでマンションに帰って来てしまった。
藤堂君が返ってくる前に帰ろうと思っていたけれど、結局、心配させてしまった。
荷物の事も帰ってから話そうと思っていたけれど、先に話せばよかったんだ。
迷惑ばっかりかけてるから、煩わしい思いをさせるのは悪いかなって思ってしたことだけど、かえって心配をかけることになってしまった。
ダメだな・・・私。
自分の事しか考えて無い。
会社には一週間の有給休暇申請を藤堂君が出してくれていた。
一旦、自分のマンションに戻って部屋の片づけを始めることにした私は、藤堂君が出社してから、自分のマンションに帰った。
この数日で分かった事がある。
藤堂君は思ったよりも心配性のようだ。
私の熱がなかなか下がらない事が心配だと毎日、午後から帰って来ていた。
そんな自由な事が許されるのかと心配になったけれど、システム開発部に限っては大丈夫らしい。
いや、本当かどうかとかは分からないけれど。
そうやって帰ってきては、私の頬をそっと撫でるのを日課のように繰り返す。
眠っている間もきっと、そうやっているんだと思う。
時々、そんな感触が頬に残っている時がある気がする。
その私に触れる手が優しいから、どこか安心してしまう。
藤堂君てこんな感じの人だったっけ?
あまり一緒に仕事をした時がないから、今もあまり彼の事を知ってるとは言えない。
同期で集まったりしてた最初の頃も、彼は残業とかで欠席したり遅れて来たりで話もしないことが多かった。
それなのに、今は、契約結婚とはいえ私の旦那様。
長い前髪の下の国宝級のイケメンを見たときは、やっぱりって思ったけど想像以上のイケメンでちょっと直視出来なかったし。
まあ、今もまともに視線とか合わせられないけど。
カッコよすぎると無駄に何か出てるような気がするのよね、色気とかオーラとか色々。
前髪上げて出社したら、今の10倍は人気出るな、あれは。
そういうのが面倒臭いって言ってたけど。
恋愛が面倒くさいって思うほど、モテたことないからその気持ちは残念ながら分からない。
でも、恋愛を求めていないっていう気持ちは分かる。
面倒くさいというか私の場合は恐怖に似てる。
結局壊れてしまうなら最初からなければいいと、今の私は思っているから。
黙々と段ボールに部屋のものを片付けていて、自分が思っていたよりも時間が経過していることに気が付かなかった。
ピンポーン!
ん?誰か来た?
そっとドアを開けると、頭上から聞き覚えのある声がした。
「何やってるんですか?」
「あ、藤堂君・・・」
帰ってくる前に帰ろうと思っていたのに。
多分、いや、明らかに怒っているような気がする・・・。
「今朝、やっと熱が下がったばかりなんですよ?」
「はい・・・ごめんなさい・・・でも、荷物が気になって」
「荷物は週末に業者に頼むことにしたはずです。橘さんも承諾しましたよね?」
「うっ・・・はい」
「なんで自分でしてるんですか?又、熱を出す気ですか?」
「だって、自分のものだからやっぱり自分がするべきかなって思って。それに、もう、体調も大丈夫だし」
「僕は怒っているわけではないんですよ。出かけるなら一言連絡して欲しかった。荷物の事も相談して欲しかった。ただそれだけです。」
「・・・ごめん、そうだね」
言われて気が付く。
確かに何も連絡しないでマンションに帰って来てしまった。
藤堂君が返ってくる前に帰ろうと思っていたけれど、結局、心配させてしまった。
荷物の事も帰ってから話そうと思っていたけれど、先に話せばよかったんだ。
迷惑ばっかりかけてるから、煩わしい思いをさせるのは悪いかなって思ってしたことだけど、かえって心配をかけることになってしまった。
ダメだな・・・私。
自分の事しか考えて無い。