同期が今日から旦那様!?〜そこに愛は必要ですか?〜
そんな藤堂君の後姿を見送りながら、パソコンに視線を戻すと斜め前の桃菜とバッチリと目が合う。
ガタガタとスゴイ勢いで私の元へと来ると、鼻息を荒くして小声になっていない小声で
「さっきの誰ですか!?」
と聞いてくる。
さっきの?
「ああ、藤堂君?同期の藤堂君だよ。システム開発部の」
そう答える私の返事が気に入らないのか、ぶんぶんと首を横に振る。
「違いますよ!そうじゃなくて、彼氏じゃないんですか!?」
「はぁ?」
そういう事か。
珍しく三次元に目を向けたのかと思ったら、私の事か。
「違うわよ。同期なだけよ」
「でも」
まだ何か言い足りないのか、じゃべろうとする桃菜の言葉を遮る。
幾ら私たちのデスクの人たちが席を立っているかと言っても、こんな話、ここでするべきじゃない。
「その話ならお昼休みに聞くから、今は仕事しなさい」
「う・・・分かりました。お昼休み、約束ですよ!」
「分かったって」
不満そうにしながらも、桃菜は席に戻って行く。
桃菜が入社した時に藤堂君はロンドン支社だったから知らないだろうけど、意外と?人気がある。
彼がロンドン支社から帰ってきた今、その人気は再燃し始めているのだ。
しかも出世株。
目はよく見えないけれど。
それでも、人気は人気なのだ。
そんな彼の話題をこの女子社員の多い場所で話すなんて、恐ろしい。
何気に頬に手をやって、藤堂君の手、ちょっと冷たくて気持ちよかったな・・・とその感触を思い出す。
大きい掌、長い指、僅かに冷たい指先の体温・・・私を心配してくれる声。
はぁ~。
本当、弱ってるなぁ・・・私の心。
ガタガタとスゴイ勢いで私の元へと来ると、鼻息を荒くして小声になっていない小声で
「さっきの誰ですか!?」
と聞いてくる。
さっきの?
「ああ、藤堂君?同期の藤堂君だよ。システム開発部の」
そう答える私の返事が気に入らないのか、ぶんぶんと首を横に振る。
「違いますよ!そうじゃなくて、彼氏じゃないんですか!?」
「はぁ?」
そういう事か。
珍しく三次元に目を向けたのかと思ったら、私の事か。
「違うわよ。同期なだけよ」
「でも」
まだ何か言い足りないのか、じゃべろうとする桃菜の言葉を遮る。
幾ら私たちのデスクの人たちが席を立っているかと言っても、こんな話、ここでするべきじゃない。
「その話ならお昼休みに聞くから、今は仕事しなさい」
「う・・・分かりました。お昼休み、約束ですよ!」
「分かったって」
不満そうにしながらも、桃菜は席に戻って行く。
桃菜が入社した時に藤堂君はロンドン支社だったから知らないだろうけど、意外と?人気がある。
彼がロンドン支社から帰ってきた今、その人気は再燃し始めているのだ。
しかも出世株。
目はよく見えないけれど。
それでも、人気は人気なのだ。
そんな彼の話題をこの女子社員の多い場所で話すなんて、恐ろしい。
何気に頬に手をやって、藤堂君の手、ちょっと冷たくて気持ちよかったな・・・とその感触を思い出す。
大きい掌、長い指、僅かに冷たい指先の体温・・・私を心配してくれる声。
はぁ~。
本当、弱ってるなぁ・・・私の心。