エリート弁護士は独占愛を刻み込む
涼太さんが腕時計を見てスタスタ歩けば、晶さんはそんな涼太さんを追ってきて私にウィンクする。
「あら、私もよ。じゃあまたね、葵ちゃん」
会議室を出て行くふたりを見送ると、恭吾さんに目を向けた。
「あの……私……邪魔しちゃいました?」
気になって再度確認すると、彼は椅子から立ち上がってドアの側にいる私のところにやって来た。
「いや、晶のくだらない話を聞かされていただけだよ。密談でもしてるかと思った?」
「……みんな真面目な顔をしてたから」
恭吾さんを見上げてそう答えたら、彼はフッと笑った。
「気のせいだよ。それよりも、今日午後八時にうちに荷物が届くんだ。俺はちょっと帰るのが遅くなるから葵が受け取って中開けて飾っておいてくれない?」
飾る?
「絵とか美術品ですか?」
聞き返すと、彼はどこか企み顔で答える。
「内緒。届けばすぐにわかるよ。それよりも、葵から甘い匂いがする」
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