吸血鬼と夢見る猫
ぱちっと目を開ける
頬はしっとりと濡れていて、どうやら泣いていたらしい。


「ぐっすり眠れたかい?」

「…おかげさまで」

レイさんはずっとそばにいてくれたらしく、私の顔を見るなり微笑みかけてくれた。

「変な夢でも見たのかい?泣いていたけど…」

「変…ではないです…。でも、いい夢でもないです」

「…?どっちなんだ?」

キョトンと私を見つめる。変な夢ではない、けど何だか寂しくて悲しくて、胸がギュッと締め付けられるように痛かった夢。

「夢は夢です。善し悪しなんて必要ないです」

私は早く"夢"の話題を終わらせたくて、どうでもいいようにそう言った。

外はまだ夜が明けておらず、薄暗い。

「あ、ユキ」

「はい?」

ハッと思いついたように私を見つめる。少し口角が上がっているような…。

「何でしょう…?」

「君、僕と一緒に来ないかい?」

最初はその言葉がどういう意味か分からなかったが、私は無意識に、

「…はい」

と頷いていた。



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