世界No.1の総長と一輪の花(ハロウィン特別編 詩優side)
*
「ありがと!」
部屋へと帰ると、ソファの隣に座って花莉は満足そうににこにこしている。
それがまた可愛くて彼女の頭を撫でた。
「いただきます!」
プリンチョコをさっそく開けて彼女は口へと運ぶ。
瞬間、頬を緩ませて美味しそうに食べる。
ほんと幸せそう。
…じゃあ次は俺も…
つんつんと彼女の頬を突っついて、目が合うと
「トリックオアトリート」
と言ってみる。
どんなイタズラをしてやろうか、と考えると自然に口角が上がる。
花莉がお菓子を持っていないことは把握済み。
学校から帰る時に京子が「花莉今日はお菓子持ってないからイタズラしほうだいよ」と教えてくれた。
まぁ、京子は絶対おもしろがって俺に教えてくれたんだろうけど。
それを有効活用しなくてはおもしろくない。