世界No.1の総長と一輪の花(ハロウィン特別編 詩優side)






花莉はふふっと笑ってから




「残念だったね、詩優」




と、ポケットに手を突っ込んでお菓子を取り出した。
そして、「はい」とお菓子を俺の前に差し出す。





そのお菓子にはコンビニのテープが貼ってあった。
さっきのコンビニでいつの間にか買っていたのだろうか。





だったら俺は…
















ぐいっと花莉の腕を引っ張って引き寄せると、花莉が持っていたお菓子が床へと落ちた。





一気に花莉と距離が近くなると、おでこをこつん、とくっつけた。






…ちょっと意地悪してやろう。






と思いつつ






「今甘いの食べたい」






まっすぐに花莉の目を見つめる。
花莉が持っていたお菓子はビーフジャーキー。それはどこからどう見ても甘いものではない。







「…わ、わがまま言わないでよ……っ」







俺から視線を逸らしながら困った表情へと変わっていくのがわかる。
…もっと困らせたくなるんだよな。そんな顔されると。






「プリンチョコ買ってやった」







またまた花莉をじっと見つめると、彼女は何も言えなくなってしまって何か考えているようだった。








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