Dangerous boy
そんな事言われたら、期待してしまう。

私の事、好きなのかなって。

「ね?あの上司よりも、僕を選んで。」


甘え上手な猫。

彼を動物に例えるなら、それが一番相応しい。


「いいね?心。」

「……うん。」

私はさっきまでの部長の情熱を忘れて、尚太君に従った。

それもあるけれども、これ以上部長を待たせる訳にもいかない。

中途半端な気持ちのままならば、一旦断ったっていいんだ。


「よかった。勿体無いよ、あんなオジサンに。」

「オジサン?部長まだ、30手前だよ?」

「マジで!?」

尚太君の驚きように、私は笑った。

「大人だな。責任を負う男って感じ。まあ、俺も年上に見られるけど。」

面白くて、はははっと笑った後、尚太君に聞いてみる。

「尚太君も何か、役職持ってるの?」

「持ってないけどね。なぜか、年上に見られる。」


そう言えば私も、初めて会った時は、年上だと思っていた。
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