完璧美女の欠けてるパーツ
「僕が必ず、梨乃さんの相手を探します。だから無茶なことを考えないで、大人しくしていて下さい」
「でも時間がありません」
クリスマスまであと1ヶ月半しかない。
「がんばります。次の作戦会議までには数名選んでくるので、梨乃さんはチェックして下さい。くれぐれも出会い系とかマッチングアプリとかデリヘルとか考えないように」
半分怒ったように言われてしまい、梨乃も真剣に「はい」と答える。
「そしてその男性と自然に知り合い、気持ちを通じ合わせて愛し合い、幸せになりましょう」
「ヤレるんですね」
「女性がそんなセリフ言ってはいけません!あくまでもゴールは幸せな恋愛です!」
怒られてばかりだ。
「でも大志さん、私は中学生の男の子みたいにヤルことばかり考えてしまいます」
「一度そこから離れて欲しいのですが」
「でも、あ……」
テーブルに置いた梨乃のスマホが光り、10歳離れた妹からのラインを受信する。無視しようとしていると画面にクリスマスと文字があったので大志に断りラインを見ると
【おねーちゃーん。聞かれたクリスマスの予定なんだけど、パパとママは近所のお友達と食事に行くみたいで、私は健太君とお泊りだから帰って来てもぼっちだからおすすめしなーい】
健太君って誰?
たしか妹の彼氏は貴弘君じゃなかったっけ?貴弘君はその前だっけ。
妹からのラインを受け取り、梨乃は脱力気味に大志に自分のスマホを渡した。大志は恐縮しながらスマホを受け取り「妹さんですか?」と聞いてくるので、梨乃はうなずいた。