完璧美女の欠けてるパーツ
大志の吐息が乱れるほど、梨乃の心音も乱れてしまう。
床に転がったまま深いキスを何度も繰り返し、あお向けになった梨乃の身体を大志は優しく包んでジッと目を見る。
「このまま……」
「はい」
ふたりの喉の奥が鳴る。
「最後までいってもいいけど……もったいない」
「えっ?」
大志はふっと笑って身体を起こし、「痛っ……」と言いながら梨乃の身体を起こしてソファに座らせた。
「誕生日が25日のクリスマスですよね」
「そうです」
「平日だけど、一緒に過ごしませんか?梨乃さんが希望する一流ホテルでも温泉でも予約します」
「謹慎中ですよ」
「梨乃さんの為なら問題ないです」
真面目に語る大志の顔を見て梨乃は笑った。
「ては、ここに泊まっていいですか?」
「僕の家に?」
「ええ、ケーキ買ってクリスマスをお祝いして、そして……ヤリます」
覚悟を決めて梨乃は言ったけど、大志は「いやいやいや、そうじゃなくて」慌てて梨乃をギュっと抱きしめた。
「もう、僕が相手なのでそんな事はどうでもいいんです。って、いやどうでもよくないけど、えーっとですね」
ためらいながら一生懸命に大志は言葉を探す。
「僕は梨乃さんが大好きです。外見も綺麗だけど、心が真面目で可愛くてとっても愛しんです。だから男性経験なんてどうでもいい、ただ梨乃さんを愛したい。僕こそ梨乃さんにふさわしくないへタレた男だけど、梨乃さんが大好きだから」
「私も好き」
たまらなく愛しいと梨乃は思う。
「少し話をしましょう。一緒に過ごしましょう。ヤルヤラないは後にして、ふたりの時間を大切にしましょう。僕は梨乃さんのことを色々知りたい」
「私も……知りたい」
あなたを知りたい。
「よかった」
大志は梨乃の身体をそっと離して重なるだけのキスをした。
「今日から、あらためて始めましょう」
「はい」
そしてもう一度キスをする。