愛というもの~哀しみの中で~
24
私は目から涙が溢れていた。

「いや、もういや、お願い、私を殺して…。」

私は真さんの腕にすがって泣きながら懇願していた。

「落ち着こう。ごめんね。こんなショックな話を。でもだから彼女も結婚とか男性と付き合うとか考えてないって言いたかったんだ。」

私、生まれてきちゃいけない人間なんだ。
犯罪の上で存在していたんだ。だから捨てられて一度も会いにきてくれなかったんだ。
だから…私もレイプされても仕方ないんだ。
私なんかが大吾を独り占めしたから、罰が当たったんだ。
私と一緒にいなければ大吾も死ななくて良かったのかもしれない。

私は我を忘れて発狂するように泣いた。
真さんは驚いててとりあえず暴れる私を捕まえてずっと抱きしめてくれてたと思う。
私の頭が冷静になってきたときにはもう窓の外はピンクに染まっていて日が昇り始めていた。
写真の中の大吾はこちらに向かって笑っていた。
もう声を上げる気力もなくてただ目から涙が流れているだけだった。
そんな私を真さんはただずっと抱きしめてくれていた。

それから私はいつの間にか眠っていたみたいで、気付くとベッドに寝かされていた。
起き上がるけど誰もいなくて人の気配もしなかった。
恭吾?どこ?
私は慌ててリビングに走って行った。
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