愛というもの~哀しみの中で~
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そんな生活が半年ほど続いた頃、由実ちゃんたちが昌美ちゃんもだいぶ大きくなって出かけらるからって旅行に誘ってくれた。
大吾が生きていた時はよく一緒に旅行に出かけた。
今回は昌美ちゃんが車に乗っていられる距離ということで近場の温泉にした。
温泉の近くには子供たちが遊べるテーマパークもある。
真さんも楽しみにしてくれていて休みを取ってくれていた。

ただ、部屋が由実ちゃん家族と私たちの2部屋しか取っていなくてなんだか緊張する。
いつも同じベッドで寝ているのに…
温泉も部屋ごとに露天風呂がついていて、屋上に大浴場があって夜景がきれいに見えるらしかった。
別に部屋に温泉が付いていても一緒に入るわけではないのに落ち着かなかった。

移動は車で、真さんも車を出してくれることになり、移動中は別々だった。
今までは電車やバスでわいわい移動していたから少し寂しい。

「きょうちゃん、よっしーといっしょがいい。」

なんて恭吾が言い出したから恭吾も昌くんの運転する車に乗せてもらうことになり、本当に真さんと二人きりになる。
それもなんだか緊張した。二人きりになることは今までもあったけど、私が泣いていることが多くて、正式にお付き合い(?)しだしてからは恭吾が必ずいたから。
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