愛というもの~哀しみの中で~
大吾はテーブルを隅に寄せてくれている間に、私が押し入れから布団を取り出した。
テーブルのあったスペースに広げようとお布団を置くと後ろから抱きしめられた。
今までもドキドキしてたけど、更に心臓が追いつかないくらい速く打つ。

「あ、あの、大吾?ふと…」

言い終わらないうちに顎を持ち上げられキスをされる。
大吾はキスしながら片手で布団を引っ張るように広げ、その上に私を押し倒した。

「茉莉、本気で好き。大丈夫だから、嫌なときは教えてな。」

私は大吾から目を離せず、ただ頷いた。
大丈夫、大吾だから…
私は大吾の腕を掴む。あの人とは違う筋肉質な腕に触れることで大吾だと認識できる。

そのまま大吾の顔が近づいてきてキスをする。
舌が入ってきて、遠慮がちに上顎をなぞられる。
今までも感じていたゾクゾクが全身に広がっていく。
私も必死で大吾の舌に舌を絡ませ応える。
大吾の手が太ももを撫ではじめると自分でも思ってもみない声が出た。
そのまま手がゆっくりと上へ移動してくる。
ウエスト辺りから服の中に手が入り込んできた。ひんやりと冷たいのにそれさえも敏感に感じて声が漏れる。

キスしていた唇が耳元へ移動する。

「茉莉、好きだよ。」

そう囁かれると耳の輪郭をなぞるように舐められる。
そのまま耳たぶを軽く吸われると首筋へ移動し、舐めるように吸い付かれる。
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