天満つる明けの明星を君に②
一通りの討伐を終えると、幽玄町に戻ることとなった。
しかし空からの光景をはじめて見た雛乃はきょろきょろ辺りを見回していて、興味津々の様子に天満は猫又を止めて雛乃の肩に手を置いた。
「もっと外を見たければ、散歩する?」
「いいんですか?私、田舎の出身だからなんだか珍しくて…」
「いいよ、でもちょっと寒いから少しだけ。朝になったらちゃんとした空中散歩しよう」
天満は先頭に居て輝夜と談笑していた朔に猫又を寄せると、雛乃の腰をぐっと抱いて屈託なく笑った。
「僕たちちょっと寄り道するので、際に帰っていて下さい」
「ん、分かった。お前ひとりじゃないんだから、気を抜くな」
「はい」
吉祥も傍に居てその話を聞いていたものの、天満たちについて行こうとしたが、乗っていた小柄の猫又が思いきり嫌がって振り落とそうとしたため、しがみつきながら叫んだ。
「俺も一緒に…!」
「お邪魔虫さん、あなたは私たちと一緒に帰るんですよ」
にこりと微笑んだ輝夜にぽうっとなったところを銀が吉祥の首根っこを摑まえてにやりと笑った。
「そんなにお熱くしている所を見たいのか?相当性根が悪いと見える」
「あ、あの娘は我が領地に住む者。私に管轄権が…」
「うるさい。とにかくついて来い」
朔の冷たい声色に背筋が凍りついた吉祥は、そのまま連行されて幽玄町の方向へ踵を返すと行ってしまった。
それを見送った天満は、腰に回した手にどきどきして落ち着かない雛乃の手綱を握る手をそっと握って空を見上げた。
「ちょっと寒いけど、いい場所があるからそこに連れて行ってあげる」
「いい場所?」
目を輝かせた雛乃の表情は、あの頃と全く変わらない。
全く――何もかも。
しかし空からの光景をはじめて見た雛乃はきょろきょろ辺りを見回していて、興味津々の様子に天満は猫又を止めて雛乃の肩に手を置いた。
「もっと外を見たければ、散歩する?」
「いいんですか?私、田舎の出身だからなんだか珍しくて…」
「いいよ、でもちょっと寒いから少しだけ。朝になったらちゃんとした空中散歩しよう」
天満は先頭に居て輝夜と談笑していた朔に猫又を寄せると、雛乃の腰をぐっと抱いて屈託なく笑った。
「僕たちちょっと寄り道するので、際に帰っていて下さい」
「ん、分かった。お前ひとりじゃないんだから、気を抜くな」
「はい」
吉祥も傍に居てその話を聞いていたものの、天満たちについて行こうとしたが、乗っていた小柄の猫又が思いきり嫌がって振り落とそうとしたため、しがみつきながら叫んだ。
「俺も一緒に…!」
「お邪魔虫さん、あなたは私たちと一緒に帰るんですよ」
にこりと微笑んだ輝夜にぽうっとなったところを銀が吉祥の首根っこを摑まえてにやりと笑った。
「そんなにお熱くしている所を見たいのか?相当性根が悪いと見える」
「あ、あの娘は我が領地に住む者。私に管轄権が…」
「うるさい。とにかくついて来い」
朔の冷たい声色に背筋が凍りついた吉祥は、そのまま連行されて幽玄町の方向へ踵を返すと行ってしまった。
それを見送った天満は、腰に回した手にどきどきして落ち着かない雛乃の手綱を握る手をそっと握って空を見上げた。
「ちょっと寒いけど、いい場所があるからそこに連れて行ってあげる」
「いい場所?」
目を輝かせた雛乃の表情は、あの頃と全く変わらない。
全く――何もかも。