天満つる明けの明星を君に②
「ええ、僕も絶対殺すと思いますよ」


朔が暁を嫁にやることの悩みを天満にぶちまけると、天満は笑顔でそう言ってのけた。

それで安心した朔は、たらふく食べた後囲炉裏の前で寝転びながら雛乃とあやとりをしている暁に目を遣ってため息。


「そうか、お前も同じ気持ちで良かった。今からこんな思いになるなんて、俺も気が早い」


「だけどうちは妹たちは暁位の歳で嫁に行ってますし、暁ももしかしたら…」


「やめろ、暁はまだ早い」


断固として暁を手放したくない朔が突っぱねていると、天満は酒を口に運びながら、そういえば、と思い出したように最近の変化を語った。


「僕、悪夢を見なくなったんです。理由は分かりませんけど、突然見なくなったので、なんか気持ち悪くて」


「雛菊を亡くした時の悪夢か。…」


――理由なら、分かっている。

雛菊の転生した存在である雛乃と共に在ることで、本人の気付いていないところでもやはり、魂が共感しているのだろう。

もうこの際全て打ち明けてやろうかと思って輝夜に相談したことがあるが、輝夜が無言で首を振ったため、静観することにしていた。


「雛乃が傍に居るからだろう。良いことだと思う。だから気にするな」


「はい」


「天ちゃーん」


天満と少しでも離れるとぐずる傾向のある暁に呼ばれて、はいはい今すぐと返事をして腰を上げた天満を見上げた朔は、もう一度宣言。


「俺は多分絶対殺す」


「その時は僕も一緒に」


固い握手を交わし合った。
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