幼なじみの不器用な愛情
華は一人家の中に入りリビングで隆弘が書いた『鍵!!』の紙を抱きしめていた。

たった一人の部屋で誰かのぬくもりを感じられるものはほとんどない。
ぬくもりを感じる祖母の遺品があっても、その本人がもういない・・・。

華は隆弘の文字を指でなぞった。

こうして自分は一生一人で生きていかなくてはならないのだろうか。

今日の女子と隆弘が腕くみをして歩く後ろ姿を思い出す。

そうして隆弘がほかの誰かと歩みだしたら自分は一人だ・・・。


耐えられるのだろうか・・・。

自分は誰のために、何のために生きればいいのだろうか・・・。

生きる目標は・・・
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