いつも、ずっと。
「でもそいじゃ御子柴は未来さんと付き合っとるフリば続けんばってことになっとじゃ。どうすっとや御子柴、生田のことは。アイツ相当ショック受けとるぞ。こうなったら生田にもちゃんと説明した方が……」



俺も出来ることならそうしたい所だけど。

俺からは明日美に連絡をとれないし。



「ごめんけど、生田さんには言わんでくれんか?」



瀬名がまだ喋っているのをさえぎって、田代先輩が発言した。



「なっ、なんで!生田はなんも悪くなかやろ。なんでアイツが傷つかんばいかんとか?」



すかさず反論する瀬名。

同僚として明日美のことを心配してくれているのか。



「明日、未来に会おうと思うとる。今日帰ってきたことも、お前らと会って話したことも言うつもりはなか。俺が未来とよう話し合ってみるけん、ちょっと待ってほしか。頼むけん……」



「御子柴はそれでよかとか?こういうことは一刻を争うと俺は思うぞ。誤解させたままで気持ちの離れてもよかとか?」



そ、それは……。

俺だって明日美に早く真実を知らせたいし、誤解も解きたい。



「ようなかけど、俺は青柳さんと契約してしもうたけんどうしようもなか」



「ああもう!お前らなんしよっとか、まったく。これ以上ここにおる意味なさそうやけん、俺はもう帰る。本当どーかしとるばい。じゃあまたな」



瀬名が呆れたように席を立った。

先輩と和解できたことだし、もう用は済んだってか。



「待てよ圭司!お前俺の連絡先知らんやろ。携帯番号とメアドば教えるけん」



今にも立ち去ろうとしてた瀬名が先輩に呼び止められたけど、再び席に着くことはなかった。



「俺の携帯番号、御子柴が知っとるけん。御子柴から聞いてくれんね。てっちゃんから電話かかってくるとば待っとるけんが。俺、いま佐世保に出張中やけん。近いうちに福岡出向の予定やし。てっちゃんも忙しかろうけど、俺もいろいろ忙しかとばい。じゃ、連絡待っとる」



「おい瀬名!悪かけど明日美には今日のことは……」



「……言える訳なかやろ。本音を言うなら、洗いざらい生田にぶちまけてやりたか。けど、俺は部外者やけんな。当事者の許可なく話したりせんさ。生田は仕事仲間やし心配けど、てっちゃんと御子柴のことは友達と思うとるけん。じゃな」



今度こそ振り返ることもなく、帰っていった瀬名。

仕事仲間、か。





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