いつも、ずっと。
勝手だよ本当。

だけど今回の契約を交わしたのは俺と青柳さんなんだから、田代先輩は関係ない。

先輩が青柳さんにプロポーズしない限りは、俺と青柳さんが付き合っているフリをすることになっているのだから。



「契約は契約だからな。不本意ではあるけど、守る努力はせんばいかんやろうとは思ってます。青柳さんかなり切羽詰まってたみたいだし」



青柳さんは明日美に嘘をつかれたことにショックを受けていた。



『ちょっとくらい意地悪してもいいやろ』



先輩との結婚をずっと待ちわびて焦っているところに、明日美からの裏切りを知って冷静ではいられなくなったのかも。

ここで俺まで契約を反古にしてしまったら……。

先輩も青柳さんに騙されてやるつもりなんだろう。



明日美のことだけを大事にしていればいいと思ってきた。

今までずっとそうだったし、これからも。

だけどよく考えてみたら、ただ単に俺の自己満足に過ぎなかったんじゃないだろうか。

明日美と俺は両想いだと信じてきたけど、果たしてそうなのか?

まさか俺の思い過ごし……?



俺のこと好きなら、連絡してくるよな?

明日美。






翌日の日曜日。

母さんから頼まれた用事のために午後から外出していた。



『暇そうね、友也。ちょっと届け物頼まれてくれん?』



こんな感じで俺に気軽に用事を言いつけてくるから困ったもんだ。

でも暇してるのは確かだし、家に居ても新学期の準備のために作業するくらいだから、外に出て気分転換するのもアリかと思った。



『じゃあついでに買い物も頼んでよか?今日お父さんが急用で行かれんごとなったけん、友也がおってくれて助かったばい。忘れんごとメモに書いたけん、よろしくね!友也』



今までは休みの日で明日美と都合が合えば出掛けることが多かったし、休みでも予定が入ってたりして家にいることの方が少なかった。

もしあのダブルデートがなかったら、今日だって明日美と一緒にいられたのかな……。



届け物だけなら大して時間はかからなかったのに。

『ついで』の買い物の方が大変だった。

アレもコレもと頼みやがって。

全ての用事を終えて自宅に帰るころにはすっかり夜になっていた。



「いっけね!電池買い忘れた」



百円ショップに寄ればいいか。

自宅近くのショッピングモール"フレスポ"へ車を走らせた。

 



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