目覚めると、見知らぬ夫に溺愛されていました。
「美味しいと思います。でも、食べ頃は4日後くらいですね?今、完熟ではないので」

「ほう!そうかいそうかい!ありがとう!ちょうどそれくらいに孫達が来るんでね。買って帰るよ!」

お爺さんは顔を綻ばせてスイカをカゴに入れた。
そして、もう一度「ありがとよ!」と片手を上げると颯爽と去って行く。
その後ろ姿を呆然と見ていると、今度は頭上から楽しそうな声が降ってきた。

「凄いよなー!スイカマイスターみたいだ?」

……スイカマイスターってなんだ!?
蓮司さんは、尊敬の眼差しで見てるけど、謎の称号を貰って私は困惑していた。

「いいことをしたね?きっとあのお爺さんのお孫さん達も美味しいスイカに喜ぶよ」

「そ、そうかな?」

「そうだよ?美味しいスイカを食べにまた来たくなるだろうし、そうすると、お爺さんも孫に会えて嬉しい、だろ?」

「……うん。そっか、うん」

私のスイカの知識が役に立つなら良かった。
取り立てて何の役にも立たない私だけど、誰かを笑顔にする事が出来るならこんなに嬉しいことはない。
少し気恥ずかしくなりながら、選んだスイカをカゴに入れ、蓮司さんと一緒に野菜コーナーへと向かった。
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