目覚めると、見知らぬ夫に溺愛されていました。
「狙い目?なんだか卑怯な言い方だな?誠意で押すんじゃないのか?」

俺が茶化して尋ねると、

「あら、失礼。狙い目に誠意で押しまくる、が正解でした」

間髪いれずに彼女が返してくる。
いやはや……敵わない。
俺は、三国さんが敵じゃなくて心底ほっとしている。
そして、何も知らずに笙子と結婚していた場合、どうなっていたかを考えるとゾッとした。

「社長。明日、彼女を一度訪ねて見て下さい。そこで、食事にでも誘い、いい感じなら何回かそれを続けてみてもらえますか?」

「もちろん!早く百合に会いたいし、食事も望むところだ」

正直、俺は浮き足だっていた。
既に心は百合との生活に向いていて、楽しい想像しか頭に浮かばない。
ただ、そこに至る過程をすっ飛ばしての想像だったのだが。
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