目覚めると、見知らぬ夫に溺愛されていました。
「百合……突然プロポーズしたのには理由があってね」

「あっ、はい」

百合は聞く姿勢を整える。

「取られたくなかったんだ。一刻も早く、百合を俺のモノにしたくて……」

直球だ。
だが、もう、後悔はしない。

「はい……」

小さく返事をした彼女は、顔を真っ赤にしたまま、それでも目を逸らさない。
これは育ちの良さだろう。
話している時は、その人の方を見なさいと言われて育てられたのだ。
恥ずかしくて目を伏せたいだろうに、俺の話をしっかり聞いている。

「だから、百合。冗談じゃないんだ。本気なんだ。君からしたらとても信じられない話かもしれないけど……好きだ」

言いたいことは言えた。
あとは百合に任せるしかない。
腹を括ると目の前の百合をただ見つめた。
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