目覚めると、見知らぬ夫に溺愛されていました。
「ここのようだね」

「ふふ。お茄子……育ててるんだ」

百合は家庭菜園のような畑を見て笑った。
そういえば、教授の家にも家庭菜園があったな。
季節ごとに色んな野菜を百合が世話していたのを思い出した。

「やけに静かだけどいるんだろうな?」

と、俺はインターフォンを押した。
すると、静かに床を踏み鳴らす音が聞こえ、百合と俺は体を強ばらせた。
床から降りて草履をはく音、次に草履を擦る音がして、最後に扉が開いた。

「蓮司……」

俺を見て呟き、

「百合さんだね?」

と、百合を見て言った。
その時、俺は少し違和感を感じた。
父の目が、百合を捉えてとても優しくなったからだ。
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