目覚めると、見知らぬ夫に溺愛されていました。
「これ、お母様ね?」
百合が歩み寄り仏壇の写真をなぞる。
簡素な漆黒の仏壇に、きちんと添えられているご飯。
明かりの灯るろうそく、朝摘んだばかりだろう生花。
その中心で笑う母を見て、息が止まるかと思った。
自宅からこっちに移したのを全く知らなかったからだ。
「お母様、笑ってるね。素敵な笑顔」
そう言って百合は仏壇に線香を上げ、手を合わせた。
俺が背中に気配を感じ振り向くと、感情の見えない父がお茶を乗せた盆を手に立っている。
「邪魔だ。立ってないで座りなさい」
一言言うと、自分も居間へと足を踏み入れ、ぼうっとしていた俺もそれに続く。
そして、手を合わせる百合の斜め後ろに座り、ゆっくりとお茶を差し出した。
「ありがとう。妻も喜びます」
妻……。か、その言葉に少しムッとした。
本当にそう思っていたのか?放って置いたくせにと。
「いえ……あの、突然で申し訳ありません。一色さん……蓮司さんとこんなに急に……」
百合が自分で言ってしまう前に俺が止めた。
「俺が強引に結婚を申し込んだんだ!結婚を早めたのも俺だ!」
文句があるなら俺に言え!
そういう気持ちで言ったのだが、父はその表情を全く変えず、更に文句も言わなかった。
「少し落ち着きなさい。お前は冷静で打算的なわりにせっかちだな。母さんそっくりだ」
「なっ!?」
俺の困惑する顔を見て、百合がクスッと笑った。
百合が歩み寄り仏壇の写真をなぞる。
簡素な漆黒の仏壇に、きちんと添えられているご飯。
明かりの灯るろうそく、朝摘んだばかりだろう生花。
その中心で笑う母を見て、息が止まるかと思った。
自宅からこっちに移したのを全く知らなかったからだ。
「お母様、笑ってるね。素敵な笑顔」
そう言って百合は仏壇に線香を上げ、手を合わせた。
俺が背中に気配を感じ振り向くと、感情の見えない父がお茶を乗せた盆を手に立っている。
「邪魔だ。立ってないで座りなさい」
一言言うと、自分も居間へと足を踏み入れ、ぼうっとしていた俺もそれに続く。
そして、手を合わせる百合の斜め後ろに座り、ゆっくりとお茶を差し出した。
「ありがとう。妻も喜びます」
妻……。か、その言葉に少しムッとした。
本当にそう思っていたのか?放って置いたくせにと。
「いえ……あの、突然で申し訳ありません。一色さん……蓮司さんとこんなに急に……」
百合が自分で言ってしまう前に俺が止めた。
「俺が強引に結婚を申し込んだんだ!結婚を早めたのも俺だ!」
文句があるなら俺に言え!
そういう気持ちで言ったのだが、父はその表情を全く変えず、更に文句も言わなかった。
「少し落ち着きなさい。お前は冷静で打算的なわりにせっかちだな。母さんそっくりだ」
「なっ!?」
俺の困惑する顔を見て、百合がクスッと笑った。