目覚めると、見知らぬ夫に溺愛されていました。
心臓に重大な疾患がある。
そう言われて闘病生活に入り2年後……父はこの世を去った。
父には内緒だったけど、最初医師には余命は長くて一年だと宣告されていた。
本当のことを言うかどうか迷ったあ挙げ句、私はそれを言わない選択をした。
今となっては、その選択が良かったのかどうかはわからない。
でも、父と少しでも長く一緒に過ごせたことは、私の宝物になった。

それからのことはバタバタしてて、あまり良く思い出せない。
父の遠縁の人が来てくれて、葬儀の手配やら、手続きやらを助けてくれた。
葬儀会社の人も何もわからない私に、一から丁寧に教えてくれる。
それらを聞きながら、私は、恙無く式を済ませることだけを考えた。
もし、喪主という立場じゃなかったら、泣いて泣いて……死ぬほど泣いて、一日中涙にくれて過ごしたかもしれない。
でも、そうはいかない立場になって、私の背は鉄柱が通ったかのように凛と真っ直ぐになった。
泣くのは後にしよう。
父の為に、父が恥ずかしくないように式を執り行う。
今私に出来ることはそれだけだ。
そう心を決めると、後はしっかりと対処出来た。
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