目覚めると、見知らぬ夫に溺愛されていました。

葬儀後、火葬場へ向かう百合達親族を見送り、俺は二宮と少し遅い昼飯を食べた。
他の皆も誘ったが来なかった。
親しい人の葬儀は、ことのほか堪える。
疲れた顔をした皆は、それぞれ足取りも重く帰路についた。

「堪らないな……」

二宮が頼んだしょうが焼き定食を箸でつつきながら言った。

「ああ」

俺も刺身定食を目の前に一言呟いた。

「百合ちゃん。どうするんだろう。あの家を引き払うんだろうか？」

「…………」

「お金は教授が残しているだろうが、一人だろう？心配だな。親戚も何人かいるみたいだけど……子供じゃないから……厄介になるわけにはいかないし……」

「…………」

「一色？さっきからどうした？口数が少ないが……まぁ、ショックでそんな気分にもならないか……」

何も喋らなくなった俺の心情を、二宮は勝手に解釈した。
警察官から刑事になり、捜査一課に配属されたらしいが、人の顔色を読むのも仕事に必要ではないのか？と、少し心配になった。