目覚めると、見知らぬ夫に溺愛されていました。
だが、二宮が誤解したもの無理からぬことだとも思う。
その時俺は、刑事二宮でさえ驚くようなある計画を立てていた。
悲しみを内に秘め、燻る鈍い炎のように堪え続ける百合を見てから、何かが俺の一線を越えたのだ。

「なぁ、二宮?」

「……ん?」

漸くしょうが焼きを食べ始めた彼は、それを阻止しようとする俺を軽く睨んだ。

「百合と結婚しようと思う」

かぶりついていたしょうが焼きを、漫画のようにポトンと落とし、二宮は驚いて叫んだ。

「……えっ!?……ん?え?なんて!?」

「百合と結婚する」

箸を置き、俺は二宮を見つめた。
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