目覚めると、見知らぬ夫に溺愛されていました。
「……どうしてそうなった?えっと、どういう思考だ、それは?」

「さっき、決めた。百合を一人にはしたくない」

「だからって!なんで結婚!?」

「一緒にいるにはそれが一番効率がいい」

効率……と言っておいて違和感を感じた。
少しニュアンスが違うような気がする……。
だが、その時の俺には、それが然程重要だとは気付いていなかった。

「効率って……それに、百合ちゃんの気持ちはどうなるんだ?彼氏もいるかもしれんし、お前のこと好きじゃないかもしれないぞ?」

「何とかするさ」

「何とかって……アホか!?そうなんでも自分の思い通りになると思うなよ!?社長だからって……どんな女も靡くと思ったら大間違いだ」

二宮は一瞬声を荒らげたが、すぐ周りを確認して声を潜めた。
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