綴る本
「この娘を救護室に連れていくから案内してくれないか?」
 そういって、ユラはルージュを抱え上げた。
 ルージュの涙声がピタッと止んだ。みるみるうちに頬に赤が帯びていく。
 横ではにやにやと嫌らしいような笑みをユマリスが口元に作っていた。
「分かった、案内する」
 ヘンズを先頭に残りの四人は後を続くのだった。
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