社長の溺愛にとかされて
「慎也の部屋でいいよ?」

慎也を見ながら、話しかける。

「駄目」

「どうして?」

「資料とか、洗濯物とか、そんなのが山積みな所、
 玲緒奈連れていけない」

それでもかまわないのに・・・と思いながら、駐車場で車を止める
慎也を見る。

「ムードとか?」

「玲緒奈との初めて、いい思いをして欲しい」

初めてと、ストレートに言われて、心臓がどきんと跳ねる。

初めて・・・そうだよね。

自分から誘っておいて、現実になると言う事に、緊張は隠せない。

「はい」

車のドアを開け、慎也がエスコートしてくれる、
その笑顔を見て、私もほほ笑む。

何も迷う事なく、その手をを取れる事に喜びが弾け、
この人についていくんだと、自然と納得した。
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