お助け部ッ☆



「新婦の入場です」




盛大な拍手と、結婚行進曲。


まさか…15歳でウエディングドレス着て全く知らない人と結婚式ごっこするなんて…思ってもみなかったわ……




彼女のドレスを着て、彼女と同じ髪型にセットして、彼女と同じメイクをして。


隣には彼女のお父さんがいる。




「姫香さん、頑張ってくれ」

『はいっ!まっかせといてください!!』




30分前に初めて会ったおじさんと、腕を組んで入場した。


あたし的、ものすごい変な感覚。


でも…バレない。




あたしはそのまま、出来るだけ顔が見えにくいよう、やや俯き気味に歩き、ついに若社長の隣へ。






……やだ。



やだやだやだ!!


いくら“フリ”でもこの人と結婚なんてやだ!!




隣にいる若社長…



年齢、推定35歳
身長、推定165センチ
体重、推定100キロ
特徴…髪の毛うっすら、眼鏡、脂性、そばかす顔




一言で表すと、キモイ。
いや、気持ち悪い。




彼女さん、よくこんなんと結婚決意したな!!


その勇気があれば、地上1000万キロメートルから飛び降りて着地するっていう無謀な挑戦、100回出来る!!



てなぐらい、あたしの全神経が拒否反応を起こした。



「ふふっ…今日から君は僕の奥さんだ…ふふっ…い、一緒にお風呂…入ろうね…ふははっ…」




……ヘルプミーッッ!!!!




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