お助け部ッ☆



あたしの願いもむなしく、結婚式が始まってしまった。




若社長の家の宗教なのか、さっきから訳のわからない讃美歌(?)みたいなのが流れていた。



早くして…
ってかあたしの変装、いつまでしてれば!?



ずーっとイライラしていた。



そのイライラが、若社長にも伝わってしまったらしい。




「ストップ!」




大声で叫び、音楽を止めた。




「彼女がイライラしている。前フリはもういい、誓いのキスして終わりにしよう」




え…?

そっちに飛んじゃうの!?


だったら聞きます!!一生歌聞いてます!!




「はい、じゃあ…」




ガシッと肩を掴まれ、どう頑張っても逃げ出せない。


待って!!

こんなとこでこんなヤツにあたしのファーストキス奪われるんですか!?



いやいやなんの罰ゲーム!?


罰ゲームにしてもタチ悪すぎるっしょ!?




『ちょ…待っ…』




あたしとアイツの顔の距離、15センチ。



ギュッと目を瞑った時だった。




バンッ





< 101 / 332 >

この作品をシェア

pagetop