お助け部ッ☆




『へ…?』




そっと目を開けると、あたしとヤツの間に、神父さんが持ってる聖書(?)みたいな本があり、ヤツはそれに顔面をぶつけていた。




「これ、俺のだし」

『りゅ、竜也!?』




神父服を着た竜也が、あたしを抱き寄せて言った。



神父の格好ですら……簡単に着こなしちゃってる竜也。


ただでさえカッコいいのに、若社長のおかげでより際立って見えた。




「っつか顔見ろよ。お前が惚れたのと別人だろ?どんだけ結婚願望強いんだよ」




あ……なんか竜也…スッゴイ怒ってる??




「ごめん、姫香」

『え?』

「ホントは指輪交換の時点で逃げる予定だったんだけど…このちっさいオッサンが余計なことしやがるから」




竜也の身長は、175センチぐらい。


ちっさいオッサンを完璧に見下していた。




「なっ…なっ…」




ちっさいオッサンは、訳がわからず大混乱のご様子。




「行こ?多分もう揃ってる」

『うん』

「ま、待て!逃がすもんか!!僕に恥をかかせた罪は重いじょ!!」




重いじょ?




『噛んだね?』

「噛んだな」

「うるさいっ!!アイツらを捕まえろ!!」




その言葉と同時に現れた、イカツイ人たち。




『初めから呼んでたの!?』

「ふふっ…こーゆーこともあろうかとね…
彼女がもし式中に逃げ出したりした時のために…ふふっ…」




信じらんない…




『力ずくでモノにしてどーすんの?そんなことしても、誰も幸せになんないよ?』

「僕は彼女に一目惚れしたんだ!!僕は彼女と結婚したいんだ!!」

『自分が幸せならそれでいいわけ!?
あんたホンット見た目だけじゃなくて中身も最悪!!彼女の気持ちも少しぐらい考えろ!!
好きな女の幸せ祈って身を引けるぐらい、器のデカイ男になれ!!』





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