お助け部ッ☆



「新婦の入場です」




本日2度目の盛大な拍手と、結婚行進曲。



さっきと違うのは…


あたしが着てるのが純白のウエディングドレスじゃなくて、黒くて、白いフリフリのついたメイド服だということ。




「竜ー!姫ちゃ〜ん!」

『あ、翼先輩に神山さん』




翼先輩と神山さんが、タキシード姿で走ってきた。




「何?その格好」




あたしの隣で、ウェイター服を着ている竜也が聞いた。


ってか竜也…似合いすぎだろ…




「俺ら受付やってたんだよ」




翼先輩が、ファッションショーのようにくるりと回った。




「式場のセッティングもしてやったのに…なんでコキ使うんだよ…せっかくの有給休暇が…」




何やらブツブツ言ってる神山さん。


2人は式場のセッティング係だったんだ…




「今受付終わったから、ウェイター服に着替えてくるよ。ほら、神やん行こ!!」

「俺の有給休暇……」



2人はまた、もと来た方へ走っていった。





あたしたちは今、式場スタッフさんのお手伝い中。


当日予約とゆー超ワガママなお願いだったので、スタッフが足りなかったんだって。


でも……一刻も早く2人の幸せな顔が見たくて…




『竜也』

「ん?」

『お助け部って、いい部だね。なんか…あたしまで幸せになれた気がする。2人とも、すっごい幸せそうな笑顔だよ』




2人の方を見る。


とても幸せそうな顔で笑っていた。




「それでは…誓いのキスを」




神父さんの声が響いた。




「姫香」

『ん?』





< 104 / 332 >

この作品をシェア

pagetop