お助け部ッ☆
「新婦の入場です」
本日2度目の盛大な拍手と、結婚行進曲。
さっきと違うのは…
あたしが着てるのが純白のウエディングドレスじゃなくて、黒くて、白いフリフリのついたメイド服だということ。
「竜ー!姫ちゃ〜ん!」
『あ、翼先輩に神山さん』
翼先輩と神山さんが、タキシード姿で走ってきた。
「何?その格好」
あたしの隣で、ウェイター服を着ている竜也が聞いた。
ってか竜也…似合いすぎだろ…
「俺ら受付やってたんだよ」
翼先輩が、ファッションショーのようにくるりと回った。
「式場のセッティングもしてやったのに…なんでコキ使うんだよ…せっかくの有給休暇が…」
何やらブツブツ言ってる神山さん。
2人は式場のセッティング係だったんだ…
「今受付終わったから、ウェイター服に着替えてくるよ。ほら、神やん行こ!!」
「俺の有給休暇……」
2人はまた、もと来た方へ走っていった。
あたしたちは今、式場スタッフさんのお手伝い中。
当日予約とゆー超ワガママなお願いだったので、スタッフが足りなかったんだって。
でも……一刻も早く2人の幸せな顔が見たくて…
『竜也』
「ん?」
『お助け部って、いい部だね。なんか…あたしまで幸せになれた気がする。2人とも、すっごい幸せそうな笑顔だよ』
2人の方を見る。
とても幸せそうな顔で笑っていた。
「それでは…誓いのキスを」
神父さんの声が響いた。
「姫香」
『ん?』