お助け部ッ☆
翌日、放課後。
『ついに放課後……』
どーやって翼先輩から逃げよっかな…
寮戻るってのも……
同じだからバレるだろーし……
あ、そーだ。芽依ちゃんの部屋にお邪魔しよう。
そう決めたあたしは、教室を出た。
「姫ちゃん捕獲〜」
…瞬間、捕まった。
『翼先輩!?』
「さ、行こ〜♪大和と代表さん達が待ってるよ?」
『あ、あたし会議とかマジ無理なんですって!
って聞けよコノヤロー!!』
あたしの襟首を持ち、引きずるようにして歩く翼先輩。完璧に無視される。
ついに会議室っぽいところに着いてしまった。
「姫ちゃん、ちょっとこれ持ってて」
渡されたのは手鏡。
持って立ってると、翼先輩がスプレーを取り出した。
『何すかそれ?』
「生徒会長になるためのアイテム♪」
そのスプレーを自分の頭に振りかけた。
「真面目っぽくね?」
『真面目っぽいッス』
翼先輩の、色が抜けて金に近い茶色の髪が真っ黒に染まった。
腰パンも元に戻し、はずしてたボタンも緩めたネクタイもきっちりしめた。
まるで別人。唯一の共通点は、やっぱりカッコイイということ。
「んじゃ行くか」
『ちょ!?』
あたしの腕をひいて、会議室へ。
扉を開けると、皆さんお揃いで…遅刻したあたし達はものすごく睨まれてます。
「桐生さん。定刻はとっくに過ぎてるのですが。我々も暇ではないので」
ビバ真面目!!
みつあみにメガネの女の子が、鋭い眼光で翼先輩を睨んでる。
どーかわすんだろ…
翼先輩のことだし、
【ごっめ〜ん!姫ちゃんがなかなか承諾してくんなくてさ〜】
軽〜く謝ってさりげなくあたしのせいにするんだよ。きっと。
…て思ってたのに……
「申し訳ありません。書記が時間を間違えており、迎えに行ってました。ご迷惑をおかけしました」
そう言って、ペコリと頭を下げた。
彼女もその説明に満足したよう。
でもあたしは放心状態。
「ほら、座って?【綾瀬さん】」
あなたは誰ですかーっ!?