お助け部ッ☆
『…遅い!遅すぎるわ!!』
「ひ、姫?いきなり何??」
立ち上がって叫ぶ姫香に驚く仁。
『いつまで待たせるの!?』
「ごめんよ、キャサリン」
「キャサリン!?」
『遅すぎよ、ジャック!!』
「ジャック!?」
ついてけない仁。
『何分待たせる気よっ』
「すまなかった。目覚まし時計が壊れてしまって寝坊してしまったんだ」
『今後は遅れないように気をつけて!』
……………。
『「って感じじゃない?」』
「お前ら打ち合わせしてたのかっ!?何その完璧さ!!っつかキャサリンとジャックって!!どんだけ準備いいんだよ!!」
「即興だよ?」
「嘘つけェェ!!」
コイツらマジで意味わかんねぇ…
そしてその息のピッタリぐあいがムカつく!!
久しぶりに竜の掴めない性格を見た気がする…
そんでもって、さすが竜の選んだ女だな…姫って…
そう再認識した仁だった。
──午後5時。
「y=(χ−1)+2(1−χ)」
ホワイトボードに書かれた数式とにらめっこを始める、姫香と仁。
『因数分解?』
「そう。共通因数でくくったり、公式にあてはめたりすんの。やってみ」
すっかり目が覚め、さっきから数学用語使いまくってる翔平。
最後は数学。
2人が最も苦手とする教科。
「まずこの式見て何思った?」
「あ、逆じゃん!χ−1と1−χ!!」
「正解。後ろの1−χをχ−1にするにはどうしたらいい?」
『符号かえる!えーと、−1をかける!!』
「そっか!そしたら−2(−χ+1)になるから、移項して−2(χ−1)になる!!」
「完璧じゃん。次は共通因数でくくる」
「χ−1=Aっておくってやつ?」
『じゃあ…yA−2Aでしょ?だからA(y−2)…おぉ!!じゃあ答えは…』
『「(χ−1)(y−2)!!」』
「ん。正解。お前らやれば出来んじゃん」
翔平にまで褒められ、キャッキャと騒ぐ2人。