お助け部ッ☆
「多分赤点は取らない。あとは当日の実力だけだ」
「ぅあ〜なんか緊張する!!」
『ね!ずっと聞きたかったんだけどさ!』
テストと関係ないけどいい?と付け加えた姫香。
一瞬、ものすごーく嫌そうな顔をした翔平は無視し、
「何?」
と聞き返した仁。
『お助け部っていつからやってんの?』
お助け部設立に関しては、何の知識もない姫香。
やはり仲間に入ったのだから知っておきたかったのだ。
「俺らが小1んとき。小学生んときから腐れ縁でさー。ずっと一緒なんだよな」
「もうすぐ10年くらいだもんな」
『へぇー、付き合い長いんだ!』
「まぁ…俺らが仲良くなったのって、それだけじゃないんだけどな」
『へ?そーなの??』
意味深な言葉を呟いた仁の横顔は今までになく暗い。
もしかしてみんな…訳アリなのかな……?
「竜な…小さい頃、全く笑わない子だったんだ」
笑わない…?
「家が大金持ちで。そのせいでアイツ、何回か誘拐されたりとか…金や権力で国が動かせること、小さいうちに悟っちゃったんだろな」
「望月財閥って10年ほど前まで悪い噂たちまくってたんだ。裏金とか揉み消しとか?」
翔平がボードの文字を消しながら言った。
望月財閥が…?
竜也に…そんな過去が……?
「で、それを更生させたのが【お助け部】ってワケ☆」
パチリ、とウインクして爽やかあ〜に笑う仁。
「あれ面白かった」