お助け部ッ☆
「暴れるもんだから…ちとおとなしくさせた」
老婆が慣れた手つきでお茶を入れながら言った。
「そりゃ拉致られたら誰だって暴れるわ!っつかこの格好は?」
「…別に意味はない」
「いっぺん死ねや、クソババァぁぁぁ!!!!」
ただの恥さらし男・神山がわめいているのを見て、姫香は小さなため息をついた。
「ため息つくなァァ!俺、被害者!!」
この際、神山は無視しよう。
そう決めた姫香は、老婆に向き直った。
『なんか…よく状況飲み込めないんスけど』
ホント、わけわからん。
キノコ狩りに来たんだよね?あたし達。
だいたいなんでキノコ狩りなの?今春だからね。キノコ、シーズン外じゃん。
っつか中間テストで補習組入ったからって、キノコ狩りはおかしくね?
ま、今さら何言ったってしょうがないんだけどさ。
でも山姥に拉致られるなんて想定外じゃん?
お助け部に入ってさ、結構常識外れたことしまくったけどさ。
まさか山姥出てくるとか思わないじゃん?
何なの、これ。ファンタジー?あ、もしかして妖怪退治アドベンチャー?
ってことは。
『いっぺん死ねや、クソババァぁぁぁ!!』
その辺に転がってた、ご飯を炊くために使うと思われる薪を投げつけた。
「状況飲み込めてなかったんじゃないんかい!無闇に攻撃するなバカタレェェ!!」
姫香の投げつけた薪をいともアッサリかわす老婆。
『ちっ、やるな』
「小娘にやられてたまるか。いいから座れ。説明してやる」