お助け部ッ☆



「暴れるもんだから…ちとおとなしくさせた」




老婆が慣れた手つきでお茶を入れながら言った。




「そりゃ拉致られたら誰だって暴れるわ!っつかこの格好は?」

「…別に意味はない」

「いっぺん死ねや、クソババァぁぁぁ!!!!」




ただの恥さらし男・神山がわめいているのを見て、姫香は小さなため息をついた。




「ため息つくなァァ!俺、被害者!!」




この際、神山は無視しよう。


そう決めた姫香は、老婆に向き直った。




『なんか…よく状況飲み込めないんスけど』




ホント、わけわからん。


キノコ狩りに来たんだよね?あたし達。


だいたいなんでキノコ狩りなの?今春だからね。キノコ、シーズン外じゃん。


っつか中間テストで補習組入ったからって、キノコ狩りはおかしくね?


ま、今さら何言ったってしょうがないんだけどさ。


でも山姥に拉致られるなんて想定外じゃん?


お助け部に入ってさ、結構常識外れたことしまくったけどさ。


まさか山姥出てくるとか思わないじゃん?


何なの、これ。ファンタジー?あ、もしかして妖怪退治アドベンチャー?


ってことは。




『いっぺん死ねや、クソババァぁぁぁ!!』




その辺に転がってた、ご飯を炊くために使うと思われる薪を投げつけた。




「状況飲み込めてなかったんじゃないんかい!無闇に攻撃するなバカタレェェ!!」




姫香の投げつけた薪をいともアッサリかわす老婆。




『ちっ、やるな』

「小娘にやられてたまるか。いいから座れ。説明してやる」






< 234 / 332 >

この作品をシェア

pagetop